ブエノス小僧のイラストブログ

興味があることを、ガサガサ、ゴソゴソ、画いたイラストといっしょに掲載します。

すくなくとも3人はいる?

この世には、自分とそっくりな人間が、すくなくとも3人はいると言われる(5人だったかな?)。
なんか、ウレシイような、ウレシクないような・・・
会ってみたいような、会ってみたくないような・・・


”勇治は家に帰ってくると、自分の部屋へ向かった。
部屋に入ると、こちらに背を向けて机によりかかっている男がいる。

怪訝な思いで「誰だろう?」と思って、よくよく見ると、
その男は髪型から着ているものまで、勇治とソックリだった。
思わず息を呑んだ。
自分の後ろ姿を見たことはないが、その男は自分としか思えない。

「じゃあ、顔はどうなんだろう」と、その男の後ろから近づくと、
その男は後ろ向きのまま(振り向くことなく)、細く開いた障子の隙間から、スッと外へ走り出て行ってしまった。
勇治は追いかけようと、障子を開けたが、もう男の姿はどこにも無かった。

勇治は、その不思議な出来事を老いた母に話した。母はだまって眉をひそめるばかりだった。
その直後から、勇治は病気になり、まもなく死んだ。

実は、この家では三代にわたって、当主が自分自身の姿を見て、その直後に亡くなっていたのだ。”

という話が澁澤龍彦著『東西不思議物語』に紹介されている(原文通りではない)。
『奥州波奈志』のなかの「影の病」という話を引用している。



実は、こうした現象は、精神医学では「オートスコピー(自己像幻視)」という。

ボクの大好きな作家、芥川龍之介はその経験があるといい。
異常なほど興味を示したそうだ。

他にも「自分を見た」というような話が残っているが、こういう経験をした人には、
その後、不幸が訪れているらしい。(『東西不思議物語』)


時空は「メビウスの輪」のように歪んでいる、という話をきいたことがある。
時空の歪が、そういったことをもたらすのだろうか?

不思議は好きだけれども、科学的にはいい加減なボクは、
「そうか、時空の歪か、メビウスの輪か、そうだよな・・・」
などと、適当に納得してしまうのだ(情けない!)。

それとも、自分にソックリの人間が本当にいるのだろうか?



話は変わる。

”小枝子はその日、一人でデパートにいた。買い物も済ました。
下りのエスカレーターに乗っていると、上りのエスカレーターに、どこかで見覚えのある顔が見える。
みるみるすれ違った。「あれっ!」
ハッとして小枝子は振り向いた。その顔は自分に似ていたのだ。

nitaonna12.jpg


妙な気がした。
下の階に降りると、スグに上りのエスカレーターに乗りかえた。
自分に似ている女に興味を覚えたのだ。

文房具売り場のある階に、その女を見つけた。
小枝子は、その女の死角から盗み見する。

髪型がちがうが、よく似ている。いや、ソックリだ。
背丈も似たようなものだ。
体つきは、自分よりもすこし痩せているように見える。

その女はファイルブックとボールペンらしきものを買うと、エスカレーターで下の階へ、
小枝子は、その女を追った。

その女は2階の婦人服売り場をブラブラした後、
デパートの地下から地下鉄のほうへ歩いて行く。
地下街の両側には多くの店舗があるが、立ち止まることもなく、どんどん歩いていく。

改札を過ぎ、地下鉄乗り場へと階段を下りる。
地下鉄に乗ると四つ目の駅で乗り換えた。
乗り換えた電車は小枝子の最寄り駅がある路線だ。
「えっ!偶然!」小枝子は益々、その女に興味をもった。

電車のなかで、人越しに観察する。
なにかの拍子に、その女がこちらを見た。
「ドキっ!」、小枝子は顔を伏せる。

恐る恐る、顔をあげて、その女を見る。
どうやら、小枝子に気がついたわけではないらしい。
「ホッ」とする。
まるで、刑事か探偵の気分だ。

自分には、自分が知らない双子がいたのだろうか?
いや、そんな筈はない。そんな話はまったく聞いたことが無い。
これは幻影ではないのか?
小枝子はいろいろと想像してみた。

小枝子の最寄り駅が近づいてきた。「まさか?」
その、まさかだった。
その女は「○▽駅」で降りたのだ!

見慣れた改札を抜け、駅前の商店街を通り、住宅街のほうへ・・・
「ええっ!どういうこと!」
北村さん家の角を回れば、自分家はすぐだ。

その女は、その角を回った。
そして、今日、小枝子が出かけた玄関でインターホンのベルを押す。
大胆不敵というか、自分家に何の用事があるというのだろう?
小枝子の頭は混乱していた。

小枝子は玄関をやり過ごしたところで息を殺し、神経を耳に集中する。


「私!玄関を開けて!」
「はーい!あら、早かったわね・・・どうしたの?」母の声だ。
その女は、なにごともなく小枝子の家へ入っていった。

カチャ!と内側から玄関ドアをロックする音が聞こえた。

愕然とする。どうなっているのだ、一体あの女は誰?


そして私は誰なんだ?”



一盛り¥300の蜜柑(安っ!)を口にしながら、そんな話をボクは想像した(ヒマなやっちゃ)。




澁澤龍彦著『東西不思議物語』河出書房新社¥380 を参考にしました。









  1. 2013/12/10(火) 07:24:30|
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